書 名日本のマンガ・アニメにおける「戦い」の表象
著 編足立加勇
協 力
出 版現代書館
発行日2019年6月25日
発行地東京
定 価2800
たてcm21
よこcm15
【備考】
ISBN9784768458501
【内容】
[目次]
序論
1.なぜ人は犠牲を払ってまで戦い続けるのか
2.無制限に拡大する二人の絆
3.宇宙論化する自我
4.自己愛と搾取
5.特別な関係が強いる自己犠牲
6.絆が果たす役割とその虚構性

第1章 傷つく身体と戦う物語
1章1節 キャラクターが持つ二つの身体
1.「傷つく身体」が生み出す批評性
2.マンガ記号説とマンガの図像がもつ二面性
3.変化と同一性

1章2節 <キャラ>の強度を作り出す技術
1.技術体系としての「マンガ」
1-1.「マンガ」という様式
1-2.メディアミックス作品における作家性
1-3.無数の語り部たちの権威化

2.技術論から見た80年代から90年代への移行
2-1.「實相を解剖抉別」する似顔絵
2-2.顔の形で区別されるキャラクター
2-3.単一化する顔の形
2-4.二極化する構成要素
2-5.「物語の予感」を生み出すキャラクター
2-6.二つの「リアリティ」

1章3節 「プリキュア」シリーズにみる観客参加型ドラマの成立
1.「プリキュア」の「リアリティ」

2.プリキュア映画のイベント化
2-1.観客参加型以前の友情表現
2-2.観客参加型以後の友情表現
2-3.作品外に拡張される友情

3.「プリキュア」シリーズの「壮大なストーリー」

4.メディアによる消費者開拓と共同体意識
4-1.同時性と連続性
4-2.共同体の生成、維持、強化
4-3.物語の反復による絆の絶対化

第2章 戦う物語における主人公の身体
2章1節 転倒される「アトムの命題」

2章2節 「ジョーの命題」と「科学」の相剋
1.「科学技術」が生み出す可能性と限界

2.「男の子の国」の再構築
2-1.マンガ・アニメと「男の子の国」
2-2.「ヤマト」における「国家」と「科学」
2-3.科学を超越する「愛」

3.格闘マンガの科学的な必殺技
3-1.『ハリス無段』の科学的柔道
3-2.『タイガーマスク』の「科学的な必殺技」

4.科学から精神力へと変化する必殺技
4-1.理論と技術が生み出した「クロスカウンター」
4-2.必殺技が示す心のつながり

5.二つの循環論法
5-1.少年マンガの基本となった「友情」の奇跡
5-2.「ジョーの命題」を実現する循環論法的なメカニズム

2章3節 戦うマンガ・アニメの循環構造
1.「ジョーの命題」が作り出したもの
1-1.サイボーグマンガにおける二つの身体
1-2.『GUNSLINGER GIRL』における循環論法
1-3.「ジョーの命題」を解体するトリエラの強さ

2.循環構造を維持する装置「萌え」
2-1.支配─被支配の関係の極大化
2-2.鬱を抱きしめる

第3章 格闘マンガの展開
3章1節 少年マンガと格闘マンガの親和性
1.格闘技化する少年マンガ

2.『鉄腕アトム』とボラーの問題
2-1.暗黙のルールの成立
2-2.最強の追及が生み出した怪物
2-3.格闘技化による「ボラーの問題」の解消

3章2節 成文法と暗黙の法の対立
1.ボクシングによる二つの法の結合

2.暗黙の法の成文法に対する優越

3.暗黙の方と成文法の「戦い」

3章3節 格闘マンガの傷つかない身体

3章4節 男たちの絆が作り出す女性像
1.女を交換財とする三角関係
2.ジョー、力石、葉子の三角関係とその破綻
3.暗黙の法が望む理想の女性像
3-1.「修羅の花嫁」
3-2.暗黙の法に組み込まれる異性愛

3章5節 ユートピアとしての格闘マンガ
1.伝統的な価値観を体験するラディカルな抵抗者
1-1.伝統を実現する「何でも有り」
1-2.本物の戦士であることの証明

2.格闘技というユートピア
2-1.「戦い」と家族の領域
2-2.ユートピアに対する懐疑

第4章 サイボーグマンガの展開
4章1節 ボラーであることの自覚と平和という価値観
1.人間と非人間の二重性

2.失われた自分と与えられた名前
2-1.『サイボーグ009』における敵と味方の差異化
2-2.『GUNSLINGER GIRL』における敵と味方の同質化

4章2節 劣等感と優越感の混濁が生み出す戦闘共同体の絆
1.少年マンガのドラマのあり方と反戦の狭間
1-1.反戦テーマの意識化
1-2.『0戦はやと』の曖昧な結末
1-3.相対化した善悪の前に挫折する『少年忍者部隊 月光』
1-4.『黒いいなずま』に見る戦記マンガの終焉
1-5.『サイボーグ009』と戦記マンガ
1-6.『紫電改のタカ』と「地底帝国ヨミ編」のラスト

2.宇宙という舞台、緻密な疑似歴史
2-1.二百年先の未来で再生する戦記マンガ
2-2.80年代における「サイボーグの哀しみ」
2-3.混濁する劣等感と優越感

3.世界そのものと化す二人の絆
3-1.二人の絆の無制限な拡大
3-2.手段から目的と化した二人の絆

4.平和への願いの再浮上
4-1.輝きを失った反戦
4-2.鏡像同士の「戦い」
4-3.少女たちを救う平和への願い

第5章 ロボットアニメの展開
5章1節 「リアルロボット」の登場
1.ロボットの定義

2.ロボットアニメと玩具
2-1.「設計図的」なリアリティ
2-2.統一スケールが生み出す壮大な世界観

3.ロボットアニメの恣意的な「リアル」

5章2節 ロボットアニメと理想のコミュニケーション
1.ニュータイプとは何か
1-1.「リアルロボット」概念とニュータイプ批判
1-2.80年代におけるニュータイプ批判
1-3.ニュータイプの道程となる男女関係

2.ロボットアニメの人間ドラマとニュータイプ
2-1.巨大ロボットと人間ドラマを結びつける試み
2-2.「凡俗」がニュータイプへと至る道筋
2-3.ロボットによる「悲しいタイプ」からの解放
2-4.ロボットの再神秘化とニュータイプの挫折

5章3節 絆への渇望が生み出す物語類型
1.ロボットによる身体と精神の分離と再統合

2.『エヴァンゲリオン』の「自己表現」

3.セカイ系の誕生
3-1.80年代アニメとセカイ系の間にある断層
3-2.物語消費の純化
3-3.《世界─歴史》から《自分─精神》へ
3-4.非現実的なヒロインによる「世界」の獲得
3-5.ロボットによって顕在化した欲望

結論
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