書 名まんが解体新書 手塚治虫のいない日々のために
著 編村上知彦
協 力
出 版青弓社
発行日1998年8月30日
発行地東京
定 価1600
たてcm19
よこcm13
備考
ISBN4-7872-7098-2
内容
[目次]
はじめに―「まんがは終わった」か?

第1章 手塚治虫のいない日々
1 不在の耐えられない軽さ―手塚治虫のいない日々のために
2 アナザー・ワン・マインズ・ドリーム―事業家としての手塚治虫
3 まんがはなぜ「差別」を描くのか―手塚作品への抗議をめぐって
4 まんがにおける性表現―「有害」コミック問題の本質
a まんがの「有害」指定と手塚治虫の不在
b 「成年コミック」第一号の“基準”
5 セックスと嘘とステレオタイプ―手塚治虫の“性表現”
6 まんがやビデオの影響という「物語」―神戸小六殺害事件を問う

第2章 全てまんがになる日まで
1 物語ることへの欲望は消えたか―少年まんがの変容とその可能性
2 「コミック文化」の現在―だれが「まんが」を読んでいるのか?
3 まんがは高校生になぜ読まれるのか―情報化社会における飢餓感覚について
4 職業としてのまんが読者―ある研究会のためのノートから
5 まんがは活字離れを進めるか―学校図書館とまんがの奇妙な関係
6 まんがは「歴史意識」を持ちうるか―文庫判まんがブームの意味
7 『少年ジャンプ』と子どもメディアの現在
a 攻略本がベストセラーになる理由
b まんが王国の翳り
c 「いきなり最終回」とその時代の“気分”
8 まんが通りの曲がり角―まんが市場の新しい動きを読む
9 ルールが変わった?―まんがの論点'97
10 『ガロ』的なるものをめぐって'80〜'90
11 オンリー・トゥモロー―『ガロ』的なものをめぐって'97

第3章 「戦後まんが」への挽歌
1 君去りしのち―追悼・手塚治虫さん
2 入魂の遺作『あっかんべェ一休』―追悼・坂口尚さん
3 長井さんと、話さなかったこと―追悼・長井勝一さん
4 そしてだれもいなくなった―追悼・藤子・F・不二雄さん
5 「神様」との闘い―追悼・石ノ森章太郎さん

第4章 まんがスクラップ・ブック
1 “虚構の性”をめぐって―手塚治虫の『リボンの騎士』と宝塚歌劇
2 孤独な慰霊碑―『人間どもあつまれ!』と大人まんがにおける手塚治虫
3 『ジャングル大帝』オリジナル版の復刻
4 『ブッダ』―手塚少年まんが最後の遺産
5 幻『火の鳥』を追いかけて
6 『ブラック・ジャック』と手塚まんがの“永遠の生命”
7 かぐちかいじ『沈黙の艦隊』―リアルタイムという楽しみ
8 山本直樹『YOUNG&FINE』―あの夏の光と影は
9 安達哲『さくらの唄』―芸術的抵抗と挫折
10 矢萩貴子『仮面舞踏会』―憎悪する官能
11 内田春菊『けだるい夜に』―性差の崩壊感覚
12 ねこぢる『ねこぢるうどん』―汚れなき悪意
13 田中たみい『スイマー、千年の夏』―“やおい”という永久運動
14 柴門ふみ/糸井重里『ビリーブ・ユー』―過剰に無色な広告まんが
15 吉田秋生『ハナコ月記』―まんが誌に載らないまんが
16 柳沢きみお『形式結婚』―明るい「悩み相談室」
17 上村純子『あぶない!ルナ先生』―「成人マーク」とは何か
18 山本直樹『ありがとう』―「家庭崩壊」とその時代
19 明るい絶望・元気な倦怠―岡崎京子『pink』『リバーズ・エッジ』『チワワちゃん』

あとがき
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