書 名“天才”を売る 心と市場をつかまえるマンガ編集者
著 編堀田純司
協 力
出 版KADOKAWA
発行日2017年3月27日
発行地東京
定 価1600
たてcm19
よこcm13
備考
ISBN978-4-04-104101-7
内容
[目次]
序 世界を拓く分野を支える人たちに学びたい
「ふつうの人々」の肉声
書く側にまわり、編集者の役割の大切さを実感する
正解のない中で自分なりの道を見つけていく

第1部 競う
第一章 激烈な競争の波に挑む 小池均「少年ジャンプ」(集英社)
天才の感覚と社会の常識の境界
「ジャンプ」という共通体験
客観視する力
マーケティング的なトレンド予測はしない
「ジャンプ」の読者の顔を想像する
「僕たちの言うことをそのままやってください」ではない
作家が自由になった瞬間
面白くできるのは作家さんだけ
「ダメ出しをを直すこと=通す」ではない
上でもなく下でもなく横に立つ
感想も打ち合わせのひとつ
選ばれし者への、呪い

第二章 一〇〇万部の闘技場に立つ 乙黒和彦「少年マガジン」(講談社)
マンガでてっぺんを取ること
「ジャンプ」とは対照的なシステム
「マンガはかくあるべし」への違和感
編集者を一番成長させるのは作家
身の丈にあった自信は持っていたい
越えるべきハードルを立てる係
出したものを否定されても笑いたくない
誰かが夢を見せてくれているうちに、誰かが次の夢をつくる

第2部 編む
第三章 五〇代現役、市場に挑み続ける 野々口嘉孝「ヤングキングアワーズ」(少年画報社)
仕事人生がオタク文化勃興の歴史と重なっている
活動すること自体が面白い
西武新宿線を行き来する二重生活
キャッシングで日々の資金を手当てする
月刊「アフタヌーン」
ほかの人たちの見る目が変わった瞬間
「野々口さんは編集者じゃねえな。それじゃあマネージャーだ」
四〇代でまた市場を開拓する
作家の創造性を刺激する話
「代案」ではなく「例」を出す
プライドはいらない。ポリシーが必要
「ジャンルは問いません。だけどレベルは問います」
「内面ドロドロ」市場は「右肩上がり」だった
ラブコメでヒット作を出してないから、ぜひチャレンジしたい

第四章 商売道具も武器も言葉しかない 荻島真之「ヤングアニマル」(白泉社)
「感じること」
商売道具も武器も言葉だけ
事前の打ち合わせが八割
任せるから委ねるに、考え方が変わる
前のめりになりすぎた
盗みたいと思った語り口
スランプはエネルギーが足りなくなっているということ
「誰もやってないからこそやる」と考えねばならない

第五章 打ち合わせは聴いて、聴いて、聴きまくる 武川新吾「少年チャンピオン」(秋田書店)
「あの人に取材してみてほしい」と言われる人
聴いて聴いて聴きまくって、ぜんぶ聴いて、さらに聴く
一〇〇個あったら九九個の失敗例を挙げる努力を
気持ちよさを伝えられるマンガは、結果が出る
「アゲインスト」よりも「ウィズ」という感覚
あくまでみなさんに楽しんでもらうためにやってるんだ
考えてしまって動かないよりは、動いたほうがいい
とにかくその回のベストパフォーマンスを目指す
可能性はみんな持っている。可能性が新しい世界をつくる

第3部 拓く
第六章 混沌の大海に飛び込む キム・ジャンフン「コミックシーモア」(NTTソルマーレ)
ボーンデジタル
韓国は日本に先駆けてコミックの電子配信をはじめた
「意志の受け継ぎ方」が良かった『キャプテン』
作家によろこんでもらう仕事でもゴマをする仕事でもない
日本のマンガの韓国版初公開を、デジタルで実現したかった
日本は今、どんどん当時の韓国の市場状態に似てきている
自分は収支を意識して、売上が立つものをやろう
媒体が移行する時、それを牽引するのはエロス
作品プロモーションとブランド・マーケティング
紙にはある貴重な時間が、デジタルには原理的にない
無料公開の犯した過ち
紙の読者を電子の読者にする戦い
違いもあるけど、やっぱり同じ

第七章 最先端と伝統を融合する 明治理子「ハーレクインコミックス」(ハーパーコリンズ・ジャパン)
「女性の欲望の商品化」の流れを経験してきた人
伝統と最新の「融合」
働いている女性に娯楽小説を定着させた
読み切り一二五ページのマンガを「開発」する
ハーレクインは最後には確実に幸せになる
原作から起こすのは「動脈を切るのといっしょ」
女の人から積極的に行くと、日本では本当にダメ
ライフスタイルに合ったデジタル配信
今は一五ページで完結する物語でいいかもしれない
才能に奉仕するのは大好きとしか言いようがない
「継承の心」をどこかで持っておかないといけない

第八章 ものづくりへ回帰する 宍倉立哉「モーニング」(講談社)
市場の変化が特に大きい青年誌
「その雑誌を読む」から「ある作品の掲載誌」への変化
次の時代がまだ来ていない
迫力を味わう大切さ
直接会い、話を聴けば誤解は生まれにくい
「もやもや気にしているけど形になっていないもの」を感じられるか
自分自身の揺るぎのない感覚を持っているかどうか
現場の編集者が一番気持ちよく仕事ができるのがいい
どれぐらいの読者を想定しているかイメージする
成功の再配分
雑誌でその話を読むのも、単行本で読むのも同じだ
「面白い作品をつくる」という原点に戻ってきた

終章 自分ひとりでは行けない世界へ行く
言うことは違った。だが「違う」ことは一致していた
人をやる気にさせるのは「自分自身が、やる気のある人」だ
高貴なる空白
変わらないもの、「支える心」

あとがき
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