書 名脱戦争論 小林よしのりとの裁判を経て
著 編[編著]上杉聰
協 力
出 版東方出版
発行日2000年5月1日
発行地大阪
定 価1500
たてcm21
よこcm15
備考
ISBN4-88591-660-7
内容
[目次]
はじめに

1 脱『戦争論』のすすめ
上杉聰 / 『個』は国家を超える
若者に届く批判は可能か/小林漫画のシナリオ・ライター/「個と公」というトリック/「戦争論」の根本的欠陥とは/なぜ若者が国家主義へ?

吉田裕 / 『戦争論』のカラクリ
クニのため、クニを守るとは?/「国家システム」と個人、あるいは「クニ」との間の矛盾/情報戦・宣伝戦の本質は何か?/本当に「戦争は面白い」か?/南京事件をめぐるウソと詭弁/おわりに

平林昌巳 / 南京大虐殺否定のトリック
はじめに/内外のジャーナリストは当時報道していた/写真を使ったダマシのテクニック/間違いだらけの写真解説/疑いと検証は大切、ただし…/南京人口「二〇万人」論のトリック/大失態!「時差」を無視した小林のトンデモさ/中国の刑具について/おわりに

宮崎哲弥 / 『意味ある死』という大きな錯覚
「犬死に論」をめぐって/西部氏は私の考えがわからなかったのか?/小林氏による的はずれな誹謗/「いまここ」を犠牲にする目的論的人生観/虚しさを回避する死後の世界/人生全体が手段になってしまうとき/オウムと小林氏の「公共」/公共とは無縁の自己陶酔/未来志向型の価値観が消えた後期資本制社会/「戦争論」は行き詰まり解消にはならない/小林氏は歴史を語る姿勢を欠いている/「責務」という言葉の矛盾/小林氏はピエロにすぎない

2 漫画引用をめぐる裁判から
上杉聰 / 漫画の引用は漫画を育てる
漫画引用を認める判決/本当は元「慰安婦」の名誉棄損問題/「まさか訴訟までしないだろう」/本来「引用」は画像におよぶ/業界の悪しき慣行を破る動き/漫画における絵を文字の一体性/「目隠し」は可能か/漫画の発展にとっての意味

若桑みどり / 小林マンガの図像分析と受容の理由
繰り返される自画像のサブリミナル効果/虚構空間に突然はめこまれる異なったレベルの現実/柔らかに導かれていくトリック/レトリックと漫画/よしりんがアンチテーゼになる社会

松沢呉一 / 情けないよ、小林よしのり
法廷で見た小林よしのり/どんなウソでも、百回繰り返せば騙されるヤツがいる/話にならない小林よしのりの著作権理解/法律無視の慣行を「常識」と強弁する小林の非常識/一方的に法的手段を講じることの不幸/小学館は、引用についての統一見解をもっているか/なぜ小林は裁判を起こすに至ったのか/自らの首を絞め、表現者の死を早めた訴訟/思い切り無残で、思い切り滑稽な死に様を

北村行夫 / 法律家からみた『脱ゴーマニズム宣言』裁判の意義
言論に関わる難しい裁判/批評の自由と著作権/引用の成否/利用者側、利用される側の間違った傾向/引用部分の鑑賞性について/夏目房之介さんが漫画を引用して出版した本/批判封じのために著作権法を利用させてはならない/批評者としての節度ある姿勢が勝因

添田善雄 / 『宙返り』だよ、小林よしのり
漫画漬けと組合活動の日々/『少年キング』に小林よしのりを起用/漫画雑誌が歩んだ道/漫画固有の表現構造/小林よしのりがもっていた迫力と潔さ/漫画は認識の発展に関わる芸術/小林よしのりへの手紙/漫画批評の現在が裁かれた

高橋謙治 / 『脱ゴーマニズム宣言』地裁判決の解説
漫画の引用の可否/本判決の意義

東京地裁判決要旨
102070