書 名マンガはなぜ規制されるのか 「有害」をめぐる半世紀の攻防
著 編長岡義幸
協 力
出 版平凡社
発行日2010年11月15日
発行地東京
定 価780
たてcm18
よこcm11
備考
ISBN978-4-582-85556-2
平凡社新書556
内容
[目次]
はじめに―マンガはなぜ規制されるのか

第1章 ドキュメント「非実在青少年」規制問題 東京都青少年条例改定案をめぐって
先行する都青少年問題協議会の議論/同性愛への偏見を含んだ協議会メンバーの発言/児童ポルノ禁止法をめぐる国会論戦―『サンタフェ』は児童ポルノか/青少年問題協議会の答申/都が問題とする出版物を提示/開示が遅れたパブリックコメント/条例改定案が都議会に上程―「非実在青少年」や単純所持を規制/広がる反対運動/都議会総務委員会での激論/指定取り消しへの異議申立の不備/東京都が松文館に勧告/審議継続の決定と閉会中審査/条例改定案が否決

第2章 規制の論理とその仕組み
規制にはどんなものがあるのか
1 法による規制
わいせつ物規制=刑法ほか/インターネット規制=青少年インターネット環境整備法/児童ポルノ規制=児童ポルノ禁止法
2 国などの指針
子ども・若者ビジョン/少年警察活動規則
3 青少年条例などの自治体の条例
青少年条例の内容/青少年条例による「有害」図書指定/表現規制としての側面
4 業界の自主規制
出版業界の自主規制の全容/出版倫理協議会による規制/出版ゾーニング委員会による規制

第3章 マンガ規制の歴史 1(1950年代から80年代前半)悪書追放運動から少女雑誌バッシングへ
1 悪書追放運動(1950年代から60年代)
赤本マンガの隆盛と反発/「三ない運動」からマンガ批判へ/手塚治虫らの反論/中央青少年問題協議会の答申/青少年条例の規定と「青少年健全育成法案」の見送り/悪書追放運動の論理/文部省の「図書選定制度」構想/貸本マンガバッシング
2 東京都青少年条例制定をめぐる動き(60年代半ば)
青少年条例制定の動きが浮上/反対運動も活発化/都議会で青少年条例を可決/「不健全」図書の指定/悪書追放運動の拡大
3 マンガ・劇画ブームと規制の強化(60年代後半から80年代前半)
「ハレンチ学園」「アシュラ」等へのバッシング/少年非行のピークと出版規制/「三流劇画誌」の摘発/少女雑誌が国会でやり玉に挙がる

第4章 マンガ規制の歴史 2(80年代後半から現在)「有害」コミック問題から児童ポルノ禁止法へ
1 「有害」コミック問題(80年代後半から90年代後半)
連続幼女誘拐殺人事件とマスコミのフレームアップ/「有害」コミック問題が浮上する/大阪、和歌山などに広がる規制運動/規制運動の象徴となった和歌山/宗教団体の運動がきっかけに/総務庁、国会議員も活発な動き/自粛に突き進む出版業界/「成年コミック」マーク付き第一号と書店の摘発/規制へ向けた自民党の動き/足並みを揃えた出版問題懇話会/東京都青少年条例強化の軌跡/大御所マンガ家も反対の声/出版社への事業税減免撤廃の圧力
2 児童ポルノ禁止法の成立とネット時代の表現規制(90年代末から現在)
壊滅状態の成人向けマンガ市場/児童ポルノ禁止法で出版業界に恐慌/淫行処罰規定の導入とともにCD-ROMの指定を開始/『完全自殺マニュアル』をきっかけに「自殺・犯罪」規制導入/ゾーニング委員会と「R18」表示/宝島社が「不健全」指定取消を求めて裁判を提起/緊急治安対策本部を準備/民主党も「有害情報」規制法案を策定/青少年健全育成基本法案の廃案/「わいせつ図画」として成人向けマンガが摘発/少女マンガの「有害」指定/BL本バッシングと図書館の過剰規制

第5章 マンガ規制は何を意味しているのか
規制派の論理/少年犯罪とメディアの関係/「青少年の健全育成」という論点/子どもにとって「有害」とは何か/子どもを権利の主体として考える/マンガ規制はマンガだけの問題ではない

あとがき
101989