書 名戦後民主主義と少女漫画
著 編飯沢耕太郎
協 力
出 版PHP研究所
発行日2009年6月1日
発行地東京
定 価740
たてcm18
よこcm11
備考
ISBN978-4-569-70514-9
内容
序章 七〇年代少女漫画前史 ―戦後民主主義と成熟の拒否
戦後民主主義と少女漫画
四十年前の「制服闘争宣言」
直接民主主義の崩壊
男性原理と女性原理
怒号に流されたかすかな声
マツモト君という「少女」
内なる「少女」を探せ

第一章 大島弓子と『バナナブレッドのプディング』
仮面としての純粋少女
虚構に束縛される自由
スキップする少女
物語が降ってくる
草原の幸福へ回帰する
「もつれた糸」のゆくえ
ホームグラウンドは大衆消費社会
「内語」の発見
「カケアミ」と少女漫画のマニエリスム
少女漫画の広がり

第二章 純粋少女とは何か?
飛躍と違和
プディングへの固着
蕩尽と巫女性
ギャグ漫画にも巫女がいた
ハッピィエンドが世界を救う
女性性が開いてくれるもの
純粋少女の生命論
受け身のリアリティ
少女漫画を腑分けするな
「かわいい」の反転
少女漫画が戦う場所

第三章 萩尾望都と『トーマの心臓』
もう一人の天才
物語作家としての才能
「成熟しただけの子ども」の矛盾
SFという新たな領域
少女漫画からの離脱
萩尾望都=宮部みゆき説
線の身体性
混乱が呼び寄せるもの
二人の姉妹

第四章 岡崎京子と『ヘルタースケルター』
九〇年代の純粋少女
下北沢の理髪店の娘
大衆消費社会から高度資本主義化へ
「愛と資本主義」のはざまで
『リバーズ・エッジ』の風景
「平坦な戦場で ぼくらが生き延びること」
総動員される五体感覚
血みどろの『ヘルタースケルター』
フリークスとしての復活
大島弓子と岡崎京子のバトンタッチ
諸刃の剣のセックス描写
居心地のいい空間を求めて

終章 純粋少女と少女漫画のいま
少女原理とは何か?
少女たちのアジール
ガーリー・フォト ―遅れてきた少女漫画
HIROMIXの栄光と転進
ロリータ・ファッションは戦闘服
キャラメル・ママと偽りの「優しさ」
震えの伝達装置

巻末付録 少女漫画の名作一覧

あとがき
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