書 名腐女子の心理学 彼女たちはなぜBL(男性同性愛)を好むのか?
著 編山岡重行
協 力
出 版福村出版
発行日2016年6月10日
発行地東京
定 価3500
たてcm22
よこcm16
備考
ISBN978-4-571-25045-3
内容
[目次]
まえがき

序章 問題「オタクと腐女子」
第1節 腐女子とBL
腐女子の定義
第2節 オタクの歴史
SFからアニメへ/「オタク」の誕生/「オタクは異常者である」というイメージ/拡大するオタク文化/「萌え」が大量のオタクを生んだ
第3節 腐女子の歴史
少女マンガとグラムロック/「JUNE」―少女のための少年愛/耽美派少女はサブカルチャーを漂う/パンク・ニューウェーブからヴィジュアル系ロックへ/耽美派からアニメファンへの勢力移行/「腐女子」の広がりとその志向
第4節 オタクと腐女子の関係
オタク・ノーマライゼーション/オタクと非オタク、腐女子と非腐女子の差異
第5節 腐女子とBL志向に関する先行研究
腐女子はなぜBLに惹かれるのか

第1章 オタクや腐女子はどのような人物なのか?
研究1 「オタクと腐女子の基本的行動傾向」
a.調査方法 オタク度尺度の作成/腐女子度尺度の作成/従属変数の作成
b.調査対象と手続 調査対象者/調査手続
c.調査結果 独立変数の設定/従属変数の算出/従属変数の分析
d.考察
腐女子はオタクでもある/腐女子はオタクよりもオタク度が高い/腐女子はオタクよりも排他的人間関係の傾向が強い/腐女子は同人誌への関心が高い/腐女子は現実でも同性愛への許容度が高い/腐女子は「自分は変態だ」と考えている
研究1のまとめ

第2章 オタクや腐女子はコミュニケーション能力が低いのか?
研究2 「オタクと腐女子のコミュニケーション能力」
シャイネス、特性シャイネス、シャイネス傾向/私的自己意識と公的自己意識/社会的スキル(記号化・解説・統制)
a.調査方法 使用した尺度
b.調査対象と手続 調査対象者/調査手続
c.調査結果 従属変数の設定/友人関係尺度の分析/特性シャイネス尺度の分析/公的自己意識尺度の分析/社会的スキルの分析
d.考察
オタクは友人関係に気を遣う/趣味への没入と社会的スキルの関係/オタク趣味への没入は社会的スキルを二極化させる/腐女子の排他的人間関係
研究2のまとめ

第3章 オタクや腐女子の外見は「残念」なのか?
研究3-1 「オタクのファッションイメージと外見の不満」
a.調査方法 ファッションイメージの測定/外見の不満の測定
b.調査対象と手続 調査対象者/調査手続
c.調査結果 「異質なファッション」の分析/外見の不満の分析
d.考察
研究3-2 「オタクの体型とダイエット意識」
a.調査方法 体型不満足度の作成/理想体重とダイエット目標体重/ダイエット動機
b.調査対象と手続 調査対象者/調査手続
c.調査結果 ダイエット欲求の分析/自尊感情尺度の分析/体型不満足度の分析/理想体重とダイエット目標体重の分析/ダイエット動機の分析
d.考察 体型と性格にまつわるステレオタイプ/下方比較と自己評価
研究3-3 「オタクのオシャレ意識」
a.調査方法 オシャレに関する質問項目/好印象を与える自己呈示/私的空間と公的空間での行動の違い
b.オシャレ度の分析/好印象自己呈示の分析/私的空間と公的空間での行動の違いの分析
c.調査結果 オシャレ度の分析/好印象自己呈示の分析/私的空間と公的空間での行動の違いの分析
d.考察
「オタクは外見の魅力に欠ける」は当てはまらない/オタクよりオタクな腐女子は残念な外見となる/食欲と美に関する欲求/オシャレに対する接近-会費の葛藤/オシャレ意識による若者のタイプ分け/擬態する腐女子、しない腐女子/オシャレに対する学習性無力感/私的空間における腐女子の振る舞い
研究3のまとめ

第4章 オタクと腐女子の井ケージを比較する
研究4-1 「腐女子イメージの比較」
a.調査方法
b.調査対象と手続 調査対象者/調査手続
c.調査結果 イメージ得点の算出
研究4-2 「腐女子イメージとオタクイメージの比較」
オタク趣味と社会的な価値/ユニークネス欲求
a.調査方法
b.調査対象と手続 調査対象者/調査手続
c.調査結果 違和感イメージの比較/アブノーマル感イメージの比較/腐女子やオタクを否定する者/ユニークネス尺度得点の分析
d.考察
腐女子に対するアブノーマルイメージ/腐女子を卑下する論理/「安全な」ポルノグラフィとしてのBL/ユニークネス欲求に見る腐女子とオタクの差異/少数派としての自己意識
研究4のまとめ

第5章 オタクと腐女子の恋愛意識
研究5-1 「オタクと腐女子の交際経験率」
a.調査方法 恋人との交際経験に関する質問
b.調査対象と手続 調査対象者/調査手続
c.調査結果 現在交際中かどうかによる比較/交際経験の有無による比較/現在交際率が低かった理由
d.考察 「オタクや腐女子はモテない」と断定できるか
研究5-2 「オタクと腐女子の異性不安」
a.調査方法 異性不安尺度
b.調査対象と手続 調査対象者/調査手続
c.調査結果
d.考察 腐女子は現実の異性とは距離を置く/萌え系オタクだからこそ恋をしたい
研究5-3 「オタクと腐女子の恋愛観」
a.調査方法 恋愛意識に関する質問
b.調査対象と手続 調査対象者/調査手続
c.調査結果
d.考察 認知的不協和の低減策としての「恋人はほしくない」/恋愛強迫観念に基づく異性親和欲求の差

第6章 オタクと腐女子の大学生活
研究6 「オタクと腐女子の大学生活満足度」
a.調査方法 大学生活満足度尺度の作成
b.調査対象と手続 調査対象者/調査手続
c.調査結果 因子分析/従属変数の分析
d.考察 社会的ステレオタイプに基づく偏見/「明らかに異質な少数派」故に下方比較の対象となる腐女子
研究6のまとめ

第7章 オタクの/腐女子の自己表現
ロマンティック・アタッチメント/アタッチメントの4類型/否定的恋愛行動とアタッチメントパターン
研究7 「オタクと腐女子のアタッチメント」
a.調査方法 使用した尺度
b.調査対象と手続 調査対象者/調査手続
c.調査結果
d.考察 オタクのと腐女子のアタッチメントパターン/腐女子に特徴的な二律背反
研究7のまとめ

第8章 腐女子はBLに何を求めるのか?
「B」:男性同性愛なのか?/「L」:愛名のか?/フィクションにおけるリアリティ:ファンタジーとしてのBL
研究8 「オタクと腐女子の純愛物語志向性」
a.調査方法 純愛物語希求尺度の作成
b.調査対象と手続 調査対象者/調査手続
c.調査結果 従属変数の算出/従属変数の分析
d.考察 腐女子はエキセントリックな物語に惹かれ、オタクはナイーブな恋愛に憧れる/異性愛者同志のBLは純愛構造を生み出しやすい
研究8のまとめ

第9章 腐女子は猟奇的で異常な描写を好むのか?
研究9 「腐女子の猟奇愛物語志向性」
a.調査方法 猟奇愛物語志向性尺度の作成
b.調査対象と手続 調査対象者/調査手続
c.調査結果
d.考察 腐女子は加虐性を純愛の発露として理解する/なぜ猟奇愛志向が強くなるのか
研究9のまとめ

第10章 腐女子はなぜ現実をBLとして妄想するか?
研究10 「腐女子のBL妄想」
a.調査方法
b.調査対象と手続 調査対象者/調査手順
c.調査結果 BL妄想を行う腐女子の特徴
d.考察 「関係性への萌え」がBL妄想を発動する/BL妄想を楽しむ腐女子は、オタクの超進化形である/現実に対する適応方略としてのBL妄想
研究10のまとめ

第11章 オタクや腐女子の趣味と幸福感
研究11-1 「オタクと腐女子のQOL」
a.調査方法
b.調査対象と手続 調査対象者/調査手続
c.調査結果
d.考察 オタクや腐女子の幸福感は。おでは測れない
研究11-2 「オタクと腐女子の受動的幸福感」
a.調査方法 受動的幸福感尺度の作成
b.調査対象と手続 調査対象者/調査手続
c.調査結果
d.考察
趣味は人生に満足感や幸福感をもたらす/オタクの場合:趣味の共有が幸福感を高める/腐女子の場合:BL趣味を「友人の属性の1つ」と認識してもらう/趣味を個性とし、ユニークネス欲求を満たす
研究11のまとめ

第12章 総合考察
第1節 研究結果のまとめ
第2節 オタクと腐女子の共通点・相違点
変態性とアブノーマルの自己認識/一般人との距離/恋愛物語への欲求/恋愛強迫観念と受動的幸福感
第3節 オタクの変態性
何が「正常」かを規定する性規範/成熟した大人の女性からの逸脱
第4節 腐女子の変態性と「愛」の概念
同性愛を許容する世界的潮流/BLは男性同性愛者差別か?/BLの二重の安全装置/「権力構造のズラし」/それは猟奇でも暴力でもなく、愛の行為

第13章 腐女子とオタクの未来に向けて
第1節 少女マンガの呪い
アイデンティティ確立の不平等/「安定型腐女子」の自己承認と「不安定型腐女子」の苦悩/腐女子と夢女子/世界から身体を切り離した妄想世界の神/世界の外側でキャラクターを弄ぶ
第2節 少女マンガの呪いを解く方法
「萌え」によるオタクの民主化/「BL妄想力」を超えて/オタクの中のオタクとしてオタクと接する/趣味の不一致をバランス理論で解消する
おわりに 半径5メートルから現実世界を変える革命
夢中になれるものを持っている幸せ/趣味が現実を豊かにする

Intermission
社会科学としての腐女子研究
社会的マイノリティとしての腐女子の心理学的研究
趣味と幸福感
「自分たちだけが正しい」と主張する人たち

あとがき
引用文献
謝辞
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