書 名マンガ・アニメで論文レポートを書く 「好き」を学問にする方法
著 編[編著]山田奨治
協 力
出 版ミネルヴァ書房
発行日2017年4月20日
発行地京都市
定 価3500
たてcm22
よこcm15
備考
ISBN978-4-623-07942-1
内容
[目次]
はじめに

序章 マンガ・アニメで研究するということ / 山田奨治
本書は誰に読んでほしいか
本書ができた背景
本書の使い方と注意点

第1部 文化・社会からマンガ・アニメへ
第1章 語り―マンガ・アニメの伝統的コンテンツからの継承性 / 谷川建司
1 何を明らかにするのか
2『魔法少女まどか☆マギカ』
まどかに対するほむらの想い
さやかに対する杏子の想い
ファンによる二次創作マンガ
3 『JIN-仁-』
日曜劇場『JIN-仁-』で最も泣けたと評判になったシーン
南方仁と坂本龍馬との別れ
4 日本人の好むナラティヴの完成形としての「忠臣蔵」
「忠臣蔵」のエッセンスとしての“コミュニケーション成就のカタルシス”
「大石東下り」
「南部坂雪の別れ」
5 結論

コラム 1 戦う文豪、闘う偉人―「異能バトル」作品からみる現在 / 飯倉義之

第2章 形態―デジタル化時代のマンガと読者の生きられる時間 / 石田佐恵子
1 時間の社会学から探求する「マンガと時間」
「マンガの時間構造」とその外側にある時間
マンガ読者の「生きられる時間」
2 「連載」という作品発表形態の成立―マンガ雑誌と市場構造
「連載」という作品発表形態の成立―二〇世紀前半
マンガ産業における雑誌の役割と連載形式
3 「物語の中の時間」と「読者の生きられる時間」との関係
「フィクションの時間」を生きる作品
「永遠の現在」を生きる作品
現実社会の時間・読者の生きられる時間に言及する作品
4 デジタル化時代のマンガと読者の生きられる時間
デジタル化時代のマンガをめぐる状況
「くるねこ」とは何か
読者の生きられる時間と「共にある」ことの意味

コラム 2 マンガが社会と繋がるとき―<三・一一マンガ>から考える / イトウユウ

第3章 教育―子どもだけの世界における子どもの自律性・生命性・道徳 / 宮崎康子
1 子どもだけの世界
大人/社会/学校の存在しない世界
物語に描かれる子どもだけの世界
子ども概念の成立と近代的学校制度の登場
教育課題としての自律性の獲得
生命性と社会道徳を超え出る「悪」
2 自律性の獲得と人間形成の物語としての『漂流教室』
現代におけるビルドゥングス・ロマン
子どもが大人になるということ
大人の自覚と自律性の獲得
3 『7SEEDS』における未来に蒔かれた種としての子どもたち
種の選別
大人社会の規範を体現するエリート
本当の自律とはなにか
他律による自律の外
4 子どもの自律性・生命性・道徳
モデルの崩壊
道徳の本質とはなにか
自律への子どもの解放

コラム 3 生命性の次元に触れる―五十嵐大介『海獣の子供』 / 宮崎康子

第4章 政治―「伝記学習マンガ」を形作るもの / イトウユウ・山中千恵
1 何を明らかにするのか
2 伝記学習マンガのタイトル選択傾向を分析する
伝記学習マンガで「人気」の人物とは
取り上げられる人物の活躍領域
発行年代ごとに特徴はあるのか
3 伝記学習マンガの「表現」を分析する
「絵柄」の分析から
「キャラ」の分析から
「コマ」の分析から
4 「学習マンガ」と「伝記本」の親和性
「学習マンガ」の成り立ち
「伝記学習マンガ」の“元ネタ”としての「伝記本」
5 結論―伝記学習マンガの<政治性>

第5章 近代性―産科医・助産師の活躍する“医療マンガ” / 安井眞奈美
1 少数派の立場から考える
2 産科医・助産師の活躍するマンガ
産科医が主人公の『コウノドリ』
助産師が活躍する医療マンガ
3 出産環境の近現代
4 医療マンガは何を物語っているのか
医療従事者同士の関係
産む意識に対する現代批判
『助産院へおいでよ』と
『ミッドワイフ・ストーリー』にみる母乳育児
誰に感情移入するのか

コラム 4 メディアに描かれる子どもイメージ / 宮崎康子

第2部 マンガ・アニメから文化・社会へ
第6章 舞台―日本のアニメ・マンガと観光・文化・社会 / 岡本健
1 アニメ・マンガと観光の関係性
マンガと観光の関係性
マンガ・アニメと観光にまつわる空間概念
2 アニメ聖地巡礼とコンテンツツーリズム
ファンカルチャーと政策
コンテンツツーリズムに関わるアクター
3 アニメ・マンガ聖地における文化の伝達
アニメ『氷菓』と地域文化
虚構空間とビジュアルイメージ
4 コンテンツツーリズムに関わるコミュニケーション
ツーリストと地域住民のコンフリクト
ツーリストと地域住民の協働
ツーリストのコミュニケーションと情報発信
5 観光コミュニケーションと文化創造

第7章 メディアミックス―そういうのもあるのか / 横濱雄二
1 メディアミックス
2 『孤独のグルメ』について
『孤独のグルメ』の概要
『孤独のグルメ』の特徴と魅力
3 マンガ受容の広がり
インターネットでの広がり
同人誌の例
4 井之頭五郎というキャラ
キャラの特徴と時間的変容
マンガ第一巻の井之頭五郎
マンガ第二巻とテレビドラマの井之頭五郎
他作品との比較
5 キャラと作品のメディアミックス

コラム 5 フランスにおけるmangaの受容―影響、占有、周縁? / 高馬京子

第8章 海外展開―『るろうに剣心』の映画化とフィリピンでの人気 / 北浦寛之
1 映画のヒットと海外展開
2 『るろうに剣心』の映画化
一九九〇年代の『週刊少年ジャンプ』と「剣心」
映画化の背景
フィリピンへの展開
3 フィリピンでの人気
プレミア上映に参加したファン
マニラでのアンケート調査
フィリピンにおけるアニメ放送
4 他のアニメは「剣心」に続けるか

コラム 6 卒論テーマは「韓国でマンガが大人気」です!―それって、いつのどんなマンガの話? / 山中千恵

第9章 少女―フランス女性読者のアイデンティティー形成とキャラクターの役割 / 高馬京子
1 何を明らかにするのか
2 フランスにおけるshojo受容の歴史的背景
3 フランスのメディア言説による追従すべき少女像の形成
4 フランス読者の言説により理想として形成されるshojoの少女像
フランスshojo読者がキャラクターに求める理想像
「プリンセス」と相反する戦うkawaii shojo
「ポップスター」の戦い
5 結論にかえて

コラム 7 英国新聞からみる日本の児童ポルノ問題―マンガ・アニメの記述を中心に / 小泉友則

第10章 食―ひとり飯にみる違和感と共感のゆくえ / 西村大志
1 食べることの滑稽さ―『かっこいいスキヤキ』
食マンガのなかでの久住作品の位置づけ
「食べる」(食べ方)マンガの先駆的作品
独自の面白さと売れなかった理由
2 共感される自由なひとり飯―『孤独のグルメ』
このマンガも最初はあまり売れなかった
新たな読者層と共感のひろがり
共感の高まりと脱色される違和感
3 共感から実用へ―『花のズボラ飯』
外食するひとり飯からひとりで作るズボラ飯へ
直球を受け止めて変化球はやりすごす
見られたくないから見てほしいへ
レシピ化するズボラ飯
4 滑稽さへの回帰とネット時代の食マンガのゆくえ―『食の軍師』
食べ方へのこだわりと実感主義への原点回帰
マンガとその外部環境

第11章 言語―日本語から見たマンガ・アニメ / 金水敏
1 何を明かにしようとするか
2 役割語とは何か
3 物語の構造とアーキタイプ
4 アーキタイプと役割語
5 ケーススタディ―『風の谷のナウシカ』
『風の谷のナウシカ』について
言語によるキャラクター分析
テーマとの関わり
分析のまとめ
6 研究法のまとめ

コラム 8 「せんせい、ちょっと待っておれ!」―マンガ・アニメに牽引された日本語学習 / 山本冴里

おわりに
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